月13万円の幸せ。(過去の駄文より)

新聞の販売拡張員が、今日も来た。
なにも休日ばかりを狙ってこなくてもいいのにそいつは再びやって来た。

 

もっとも俺は平日は毎日仕事で夜も遅いので、仕方なく拡張員は休日を狙ってくるとも説明ができた。

 

多くの人がそうであると思うが、休日にはできるだけ疲れを取りたければ、かといってアクティブにもいたいものだ。映画も見たいし音楽も聞きたい、用事を済ませ、細々とした、”やらなければいけないこと”はもちろん、”やらなくても良いこと”までできればしたい。食料品だって買い込まねば。それが少なくとも俺の休日のイメージだ。あれやこれやとなんだかんだと忙しい。そして何より、絵美とも会わなければ。

 

そんな休日に、そいつはやってくる。
見かけは、中肉中背の中年男。俺の親父ぐらいの年だろうか。
紳士でもなければ、それほど下品でもない。一言でいって、普通のオッサンだ。

 

ネームプレートには「田中」とだけ書かれている。
田中が俺の家に来る時間は全くランダムで、朝早くの時もあれば夜の場合もある。確か訪問販売法だかで訪問できる時間は決まっていたはずだが、そんなことはお構いなしの様子だ。若しくは、こちらがそんな法律を知らないだろうとタカをくくっているのか、その辺はよく分からない。

 

田中は、噂に聞くような悪質な拡張員ではなかったが、それは「脅迫めいた言動をしない」という観点からのみであって、「しつこさ」という観点で言えばこれはもう、紛うことなき悪質なそれであったろう。要するに「丁寧だがしつこい」、訪問される側からはありがたくって涙が出るタイプの拡張員だった。

 

いつだったか田中と世間話に及んだ時、
「会社が不況で倒産しましてね、真面目にやってきたつもりなんですが・・・。それで再就職っていっても、誇れるような才能があるわけでなし、資格もない。今までの仕事と畑は全然違うけど、いっちょやってやろうと思って、この仕事を選んだんです」というようなことを言っていた。

 

田中が来る時間、それが夕方であればまだ良いのだが、疲れた体を休めようとしているのに、8時前に無遠慮なチャイムで叩き起こされる朝はとても辛くて、非常に不愉快だった。それに最近は、人が嫌がることをするのがセールスを成功させる秘訣だと言わんばかりに朝ばかりめがけてやってくる。

 

”佐藤さん、佐藤さぁん・・・”

俺はいつも素っ気無い、つっけんどんな態度を見せていた筈なのだが、何故だかいつの間にか俺は田中に見込まれたらしかった。セールスをする人間は、気弱い人間を本質的にかぎわける嗅覚を持っているのかもしれない。世の中には人を人とも思わない態度で、新聞の勧誘なんぞはまるでハエを追っ払うように軽くあしらう人もいるようだが、どうも俺はそういった事は苦手だ。新聞を取る気はさらさらないが、かといってなるべくなら相手に不愉快な思いはさせたくない。

 

”(ピンポーン・・・ピンポーン・・・コンコンコン・・・ドンドン・・・)佐藤さぁん、佐藤さぁん、おはようございます!”

「馬鹿馬鹿しい、おはようございますって、お前が無理矢理起こしたんじゃないか」そんなことを思っても思わなくても、現実に来るのだからしょうがない。それはもう、休日の恒例行事として、およそ半年以上も継続していた。

 

今日は余りのしつこさに、仕事での疲れがピークに達していた事もあって、俺はかつてなく不愉快な応答をしようと決意した。
「もう来なければ良いな」そんななまじっかなものではなく、
「今日で終わりにしてやる」そう強く思っていた。

 

”(ドンドン、ドンドン・・・)佐藤さぁん、佐藤さぁん”

猫なで声を出しても無駄だ、今日こそは言いたい事を全部言おうと決めていた。俺は早速跳ね起きてドアを開け、「またアンタかい」とできるかぎりの不愉快な声を発した。

 

”いやいや、すみませんね、毎週。へへ。あのぅ、それでその、考えて置いてもらえました?”その卑屈な、媚びた笑みは鬱積した俺の怒りを確固たるものとさせるのに十分だった。

 

「いつも言ってるだろう、新聞は取らない。取らないっていったら取らないんだ。毎回言ってるだろう、なんで好き好んで新聞を2誌も3誌もとらなけりゃならないんだ、本音を言おうか、そんな金の余裕がないんだ。もう来ないで欲しいと言っただろう、酷ければ、アンタの会社に電話かけて苦情言ってやるって言ったろう。なんで分からないんだ。何でわかってもらえないんだ。大体アンタには常識がない。今何時だ?朝の8時前だろう、俺はくたくたに疲れているんだ、平日の疲れをこの休日に取りたいんだ。用事だって山ほどある。あんたは、そんなこと、ちょっとでも考えた事があるのか?きょ、今日こそは言わせてもらうぞ。なるべく角を立てないように、アンタにも生活があるんだろうと思うからこそ苦情の電話は止してきた。だけどな、それをいい事にどこまでつけこんできやがるんだ!毎週毎週、半年もの間!」

一気にこれだけ言って、多少冷静になってきた。それと同時に、言い過ぎたかとも思ったが、それはそれ、心を鬼にしなければならない。

 

しかし、さすがにこれだけ言えば田中がしょげかえってしまうだろうと思っていた俺はまだまだ甘かった。田中は、20秒ほどの沈黙を破ってこう言葉を返したのだった。

”仰る事は・・・よくわかりますし・・・その、固いご意思っていうのはご立派だと思います・・・。私は・・・でも、そのような自分を持っている佐藤さんにこそウチの新聞を読んで欲しい・・・”

 

―異常者だ―

俺は我が耳を疑った。今俺が声を大にして言った言葉を、こいつはわかっていないのだろうか、まだ新聞を取らせようとしている。多分コイツは何を言っても新聞を取らせるつもりだろう。こんなものはセールスのノウハウでもスキルでもなんでもない、もしこの方法でいつもセールスを成功させているとするならば、それは”新聞を取ればコイツから解放される”といった如何ともしがたい、渋々の購買であることは容易に想像出来た。

 

俺は呆れもしたし、相手の思考が全く理解できない恐怖を少し覚えた。一体コイツは。

もうこれ以上話をしてもムダだ、そう考えた俺は「もう一度だけ言います。僕はおたくのとこの新聞は取りません。もう来ないで下さい。もしまた来たら、あなたの会社に電話させてもらいます。なんだったら警察にかけてもいいんですよ」と言った。もううんざりだ、これで終わりにしたい、頼むから素直にしょげかえって帰ってくれ、祈るような思いであった。

 

俺のような大の男が新聞勧誘ごときで警察を呼ぶなんてことは通常考えられない。だが、警察という言葉が継いで出てくるほど、こいつのしつこさは並ではなかったのだ。

つまり警察という単語は、威嚇の為というよりは、恐怖を誤魔化す為であったといえるだろう。ある種田中に病的なものを、思わず連想させないではいられなかった。

 

だが残念ながら俺の悲痛なまでの祈りは通じず、田中は薄ら笑いを浮かべてこう答えた。”いやそんな、警察、はは、佐藤さん、そんな大げさな。何をおっしゃいますやら。最終的に新聞を取る取らないは、佐藤さんのご意志で決めてもらって構わないんですよ、私はその、新聞の良さをご説明させてもらっているってだけで”

 

このままではダメだ、まともに話を聞いてはいけない、そう直感した俺は思わず声を荒げた。

「ちょっと待ってくれ。取る取らないは俺の意思だと?嘘をつけ。アンタは新聞を取るまで来るつもりなんだ。意思?意思だって?意思は決まってるんだよ、とっくに。買わない、取らないっていう意思が決まっているんだ。もうとにかく帰ってくれ!」

少しパニックになっている俺はなんとか田中から逃れるためにドアを閉めようとしていたが、どっこい田中の足がしっかり挟まっていて閉まらない。

「おい、この足をどけろ!」

”いやいや、落ちついてくださいよ、佐藤さん”

「なんなんだよアンタ、なんなんだよ・・・」

”ちょ、待って、待ってください、まるで私が押し売りしてるみたいじゃないですか・・・”

「押し売りじゃねえか!」

俺はその時どうかしていたのだろう、分別ある社会人としては極めて不適切な行為に及んでしまった。俺はドアを閉めようとするのではなく、逆に思いっきり開け、そのまま右手で田中の襟を強引にねじり上げ、そのまま力任せに共用部の通路の壁まで一気に押し付けた。

 

「名刺だ、名刺を出せ。これだけ言ってもわからんのだったら、連絡してやる。アンタの会社に、上司に。ちょっと謝って菓子折、ぐらいじゃ済まさんからな。取りあってもらえなきゃ俺はどこだって行ってやる。なんならアンタがお薦めする新聞に投書してやろうか」

その時はどうかしていたに違いない、人格が違ってしまったかのように、俺は苛烈なサディストと化していた。これに吃驚したのは他でもない、田中自身であった。

先程は俺がパニックになっていたが、今度は田中の方がとんでもないパニックに陥っていた。

”やめてくださいっ、こんな、暴力!やめてください!何でこうなるんだ、こんなになる話じゃないじゃないか!じょ、上司になんか、冗談じゃない、そんな話じゃないんだ!新聞の、勧誘なんだ!困るんだ、こういうの。連絡も、してもらう必要はないんだ!”

「何言ってんだ・・・アンタがしつこすぎるからこうなったんじゃないか。何回も警告してたハズだよ、目に余るようだと連絡するよって、でもアンタ、ずーっと来てたよね?それに何だよ、今。足はさめちゃってさ。これは勧誘?適切な勧誘?」

実を言えば、その時俺はそれ程興奮していなかった。田中の予想以上のパニックを目にして引いてしまったこともあるし、なにより俺の理性が歯止めを掛けた。以下少し、俺と田中の会話だけを続けよう。

 

”でも、こんなになる話じゃない・・・それにそんな胸ぐらつかんで・・・暴力・・・”

「暴力じゃない、アンタが足挟めるからこうなるんじゃないか。足挟めて”どけろ”って言ってるのにどけないのはどういう事なの?反省の色もなしですね、連絡先を教えて下さい」

”あ、いや、違うんです、すいません、いや、連絡とか今、困るんです。確かに少々強引すぎました。すいません、報告だけは・・・”

「いやいや、それは出来ないって。俺が一方的にアンタに暴力振るったことになって、あべこべに訴えられちゃ困るからね。今さっき、アンタ、俺も悪いみたいなことをちょっと言ったね、いや、言ったんだよ。連絡はさせてもらうよ、さっき菓子折りじゃ済まさんとかいったのは、言葉のアヤだ。とにかく、そっちが悪かったですっていう証明がなきゃこっちも困るんだよ」

”・・・・・・”

「それに連絡イコールで即首ってことはないでしょ。確かにアンタは大目玉食らうかもしれんけど、不適切な営業だったってだけの事で、解雇にはならんでしょ。それぐらいは覚悟しなさいって」

”では、私はどうすれば・・・”

 

俺はその場で田中の上司に連絡をし、事情を説明した。上司は田中のいつだったか、かつて言っていたような冷徹な印象ではなく、俺には平謝り、謝罪一辺倒だった。もっとも、田中に対して冷酷かどうかはわからないし、本当はイヤミな人物なのかもしれない。が、それは俺にとってどうでもいいことだ。

 

後日改めて謝罪に伺わせて頂きますとのことだったが、その日の昼には田中と田中の上司が菓子折りと”非はこちらにあった”と書いた紙を持って謝罪に訪れた。

上司は流石に管理職だけあり、物腰も柔らかく、イヤミに見えない微笑を浮かべる術をある程度身につけていた。

[今回の、このぉ、行き過ぎの営業で、佐藤様に大変ご迷惑をお掛けしたということで、誠に申し訳ありませんでした。田中も、営業成績の伸び悩みからこのようなことになってしまったと思うんですけれども、これも私の、監督不行だと思っております。今後一切このようなことがないよう、徹底していきますので、今回の事は、そのぉ、佐藤様の胸に留めて置いていただくという、そのぉ・・・]

「いやいや。僕もそんな、事を大げさにしようとは思ってないですよ。ただその、半年間ずっと、しつこく来られたもので。夜の10時ぐらいに来ることもあれば、朝の7時ぐらいに来られることもありましたよ。これって問題ですよね?」

田中の上司は大げさに恐れ入ったというような顔をして頷いた。

[まったく仰る通りです。申し訳ありません。しかしこれは、もちろん社内の方針ではありませんで、田中の独断という形で、恥ずかしながら私共も把握しておりませんでした。このぉ、社規を破ったのみならず、法律を破っているということにもなるわけですから、当然しかるべき厳正な処置を佐藤様はお望みになられると思いますので、できるだけ佐藤様の満足いただけるような形に・・・]

トカゲの尻尾切りだ。この上司は、田中の首などなんとも思っていない。田中の顔が青ざめるのを見た俺は、流石にかわいそうになり、「あの、そちらに非があったということだけ分かってもらえればそれでいいんですよ。誠意ある謝罪があったということでこちらも認識しましたんで・・・。とにかくもう、帰って下さい・・・」と投げやりに言い放った。

田中の上司も、引き際をよく心得ており、
[左様でございますか、謝罪を受け入れていただき、ありがとうございます。では、今後万が一にもこのようなことがないよう、徹底していきますので、今回は誠に、(ほらっ、お前が頭を下げなくてどうするっ)、申し訳ありませんでした。では、失礼します]と簡単に田中と頭を下げて、帰って行った。 
 
これだけのやりとりがあり、二度寝する気も失せた俺は、早速遅い朝食を摂ることにした。手っ取り早く昨日の夜炊いてあった飯でチャーハンを作り、盛り付け、食べながら、俺は今日一日のプランを思い浮かべていた。

幸い、今日は残っている仕事もなければ、食材等の買い物も昨日のうちに深夜営業しているスーパーであらかた済ませてあった。いや、たまたま暇だったかのように聞こえるかもしれないが、実の所、”今日の為に”仕事を残さないようにし、買い物を済ませておいたと言ったほうが的確だろう。

 

今日は大事な日なのだ。

 

今日は、絵美とのデート。いや、こういっては興ざめかもしれないが、一回のデートごときはたいして心躍るイベントでもない。問題は夕食、いやそれも夕食自体が問題なのではなく、もっと具体的に言えば絵美の両親と食べる夕食が問題であったのだ。俺も絵美も30歳。今時、結婚するのに遅すぎる年齢ではないが、早過ぎる年齢でもない。そろそろ恋愛にも”結婚”という要素を含める年齢になってきた。もちろん縁がなければそれまでの話なのだが、俺の場合、今の彼女、絵美とは価値観を共有できるような気がして一緒に居てもとても楽しい。俺は華々しい恋愛遍歴を持っている訳でもないが、今までの女性とは何かが違うような気がしてならない。平たく言えば、今日の夕食の時に、絵美の両親に大事な挨拶をすることになっていた。

 

チャーハンを食べ終えるが早いか、準備をし、それからデートの時間まで、正直に言えば大げさかもしれないが気もそぞろで人心地もつかなかった俺は、件の夕食までの間、何を考えどう行動し絵美との事前打ち合わせ?で何を話したのかをほとんど覚えていない。はっきりと覚えているのは、夕食の時に、絵美の父親が田中であったことからだ。 

 

田中は俺を見るなり、ぎょっとした顔をしたが、俺も同様だっただろう。絵美の母親は咄嗟に、何らかの違和感だけは感じたが何が起こっているかは掴めていないようで、とりあえず保留、穏当な態度を装っていた。

 

一瞬で情報の処理が追い付かず、脳のキャパを超えた俺は、えい、相手が田中であろうと関係ない、型通りの決まりきった挨拶をして突っ切ってしまえ、そう判断した”ようだ”。

「はじめまして、私、絵美さんとお付き合いさせていただ、」

本当に俺がこのぐらい言ったぐらいで、田中が遮った。

「はじめましてどころじゃないだろう」

「えっ」

「今朝お会いしたじゃないか?」

「えっ」

まずい、どう乗り切ろうと思った刹那、絵美の母親が色々、様々分からないながらも、”俺”はまあまあ及第点の青年と評価したのか、とにかくこの変な違和感を均そう、穏当にしようとし、取り成そうとしたことを覚えている。

「あら、お知り合い?お父さんのお仕事の関係かしら。ごめんなさいねお話の途中に。私も佐藤さんが来られると聞いて緊張しているから、先にこちらからご挨拶させていただいて良、」

「お前は黙ってなさい!!!」

田中がすぐに怒鳴り、絵美の母親の取り成しはすぐに揉み消された。

続けざまに田中が言った。

「佐藤君・・・、君は・・・、」

もはや”仕事”の時の田中の卑屈さはどこにもなかった。あるのは”絵美のお義父さん”としての威厳であった。こうした顔もあるんだ、”できるんだ”とどうでも良いことを一瞬思った記憶がある。

「・・・はい・・・なんでしょう」

「君は、新聞が2誌以上取れないような経済状態にあるのかい?もちろん金が全てという訳ではないが、逼迫した経済状態というのも困りものだ。やっぱり親心というものは・・・」

「いえ、あの、新聞2誌が取れないということではないんですけども、、、」

「だって君はお金が無いから取れないって言ったじゃないか!」

「余るほど持っていないという意味です。実際僕は新聞をとっていますし、2誌目は必要ないんです」

「理屈はもうよろしい!」

”もうよろしい!”なんてどこかの大学教授みたいな口ぶりで田中はどなった。権威を、知性を出したかったのに違いあるまい。それに、”理屈”って何だよ、とも思った。

「新聞の1誌増えることに君は実際躊躇したんだよ!たか、たかだかたか数千円を惜しむような経済状態なんだよ!」

「そ、そそんな、びび貧乏でケチチチな奴にはうううちのむす娘はやややややれん!」

興奮も極まれり、田中はリアルにこんな吃音であった。

 

何だか人間の記憶というものもこれほど都合良く些末なことを覚えていたり肝心なことを忘れていたりするのだと痛感した。つまりはここでまた、俺がどのようなことを言ったか、彼女の母親や彼女の様子や、田中からのどういった叱責、面罵、反駁があったか、俺はまるで記憶にない。

 

だけれども事実として今俺に言えるのは、俺と絵美が破談になったわけじゃあない。気づいたら挙式の予定も、”決まってた”という状態だから、なおさら俺が田中に向かってどのようなことを力説したのか、どう切り返したのか俺自身も知りたいところだが、受診が必要と自分でも思うレベルに、ここは本当に覚えていない。

 

本当にその時俺がどう説明したものか、どう切り返したものか、田中を納得させた俺の発言、絵美の母親や絵美の表情に至るまで気になる所は数多くあるが、覚えていない以上それも詮無いことと諦めることとした。ともあれ、結果オーライ。幸せな結婚生活が送れることになったのだから、全く同じ新聞を朝夕30部取るぐらいのことは考えないようにした。